「レアル」とはどういう意味なのでしょうか。スペインのサッカークラブや地名などでよく見かけるこの言葉は、実はスペイン語で「王室」を意味します。この特別な称号は、スペイン王室から公式に認められたクラブや場所に付けられるものです。例えば、レアル・マドリードやレアル・ソシエダといった有名なサッカークラブがその代表です。この記事では、「レアル」の意味とその由来、さらに「レアル」と名のつくクラブや施設について詳しく解説します。
ポイント
- 「レアル」の意味
- スペイン王室から称号を授与されたクラブや施設の例
- レアル・マドリードやレアル・ソシエダなどの歴史
- 「レアル」がつく地名や施設の由来
目次
レアルとはどういう意味?
- レアルとは?
- レアルと名がつくサッカーチーム
- レアルという名がついている施設や物
スポンサーリンク
レアルとは?
「レアル」とはスペイン語で「王室」を意味する言葉です。これは、スペイン王室から公式に認められたクラブに与えられる特別な称号です。たとえば、レアル・マドリードとレアル・ソシエダがその代表例です。レアル・マドリードは1920年にアルフォンソ13世からこの称号を授与されました。同様に、レアル・ソシエダも1910年に同じ王から称号を受けています。
これらのクラブは、単にサッカーの強豪であるだけでなく、地域と王室との特別な関係を象徴しています。エンブレムには王冠が描かれ、クラブの歴史と名誉を示しています。
スペインには「レアル」の称号を持つクラブが他にもいくつも存在します。レアル・ベティス、レアル・バリャドリドなどがその例です。
レアル・ソシエダは特に「ラ・レアル」と呼ばれ、地元での強い支持を受けています。このように、スペインでは「レアル」といえばレアル・マドリードだけでなく、他のクラブも指すことがあります。
レアルと名がつくサッカーチーム
この投稿をInstagramで見る
スペインには、「レアル」と名前が付くサッカーチームが多数存在します。ここでは、その中から特に知名度が高いチームをいくつか紹介しましょう。
まずは、世界的に有名なレアル・マドリードCFからです。このチームはスペインの首都マドリードを本拠地とし、ラ・リーガやUEFAチャンピオンズリーグを含む多くの国際タイトルを獲得しています。次に、レアル・ソシエダはバスク地方のサン・セバスティアンをホームとするクラブで、地元のアイデンティティを強く反映したチームです。
さらに南に目を向けると、レアル・ベティス・バロンピエがあります。セビリアに拠点を置くこのクラブは、情熱的なファンで知られ、熱い試合が多いのが特徴です。また、レアル・バリャドリドCFはカスティージャ=イ・レオン地方の代表として、地域の誇りを背負っています。
北部では、レアル・オビエドがアストゥリアス地方のオビエドを拠点としており、同地方から熱烈な支持を受けています。セグンダ・ディビシオン、つまりスペインの2部リーグに所属するチームもいくつかあります。レアル・サラゴサはアラゴン地方のサラゴサをホームに持ち、地元からの強いサポートがあります。また、レアル・スポルティング・デ・ヒホンもまたアストゥリアスのヒホンを基盤にしており、地元ファンに愛されています。
最後に、レアル・ムルシアCFはムルシア州を代表するチームで、地域社会との強いつながりを持っています。
レアルという名がついている施設や物
スペインにはサッカークラブ以外にも「レアル」という名前がついた施設や物がたくさんあります。スペインでは王室とのつながりを示す物や施設はサッカーに限らず「レアル」と名がつくことが多いのです。いくつか具体例を挙げてみましょう。
地名
レアル・シウダッド・デ・グラナダ:グラナダ県の県庁所在地で、世界遺産のアルハンブラ宮殿がある街です。ここも王室と関わりの深い地です。
プエルト・レアル:アンダルシア地方カディス県の港町で、歴史的に重要な貿易港でした。名前に「レアル」がつくのは王室の影響です。
建造物
レアル・アルカサル:スペイン各地にある王宮の総称です。特にマドリード、セビリア、グラナダのアルカサルが有名です。これらの建物は歴代のスペイン王室が使用していた場所で、その美しい建築と歴史的な価値から多くの観光客が訪れます。
その他
レアル・アカデミア・エスパニョーラ:スペイン語の規範を定める機関です。スペイン語の正しい使用法や新しい単語の導入など、言語の保護と発展に貢献しています。
レアル・フェリア・デ・アブリル:セビリアで毎年春に開催される大規模な祭りです。多くの人々が集まり、フラメンコや美食を楽しむイベントです。
タブロ・レアル:スペイン王室の紋章を指します。王室の象徴として、多くの公式文書や建物に使われています。
ワイン
レアル・ソト・グランデ:スペインの高品質なシェリー酒の銘柄です。「レアル」はこのワインがかつてスペイン王室御用達であったことを示しています。
レアルとはどういう意味?:レアルの名がついているクラブ、施設等
- レアル・マドリー
- レアル・ソシエダ
- レアル・ベティス
- レアル・サラゴサ
- レアル・バリャドリードCF
- プエルト・レアル
- フェリア・デ・アブリル
- レアルとはどういう意味?まとめ
スポンサーリンク
レアル・マドリー
この投稿をInstagramで見る
レアル・マドリードの「レアル」とは、スペイン語で「王室」を意味します。この名が付けられたのは、1920年のことです。当時のスペイン王、アルフォンソ13世が、マドリード・フットボールクラブに「レアル」の称号を授けたのです。この称号は王室からの特別な認可を示すもので、クラブの格式を高めるために重要な役割を果たしました。
1902年に設立された当初、クラブは「マドリード・フットボールクラブ」として活動を開始しました。その後、クラブはスペイン国内での成功を収め、特にスペインカップでの活躍が目立ちました。この成功が王室の注目を集め、1920年に「レアル」の称号が与えられました。この称号はクラブの正式名称に組み込まれ、「レアル・マドリード」となったのです。
レアル・マドリードがこの称号を獲得した背景には、クラブの歴史と功績があります。設立から数十年の間に、多くのタイトルを獲得し、スペインサッカー界での地位を確立していきました。特に、1900年代初頭からのクラブの活躍は顕著で、スペインカップの初期大会での優勝回数が多かったことが王室の認知を受ける一因となりました。
「レアル」の称号を受けてからのレアル・マドリードは、さらに多くの成功を収めました。王室の認可を得たことで、クラブの名声は国内外で急速に広まりました。この時期には、新しいスタジアムの建設や、優秀な選手の獲得など、クラブの基盤を強化するための多くの取り組みが行われました。
レアル・ソシエダ
この投稿をInstagramで見る
「レアル」と聞いて、真っ先にレアル・マドリードを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はスペインには他にも「レアル」の名を持つクラブがいくつかあります。その中でも特に有名なのがレアル・ソシエダです。このクラブが「レアル」と呼ばれる理由は、スペインの歴史と深く関わっています。
レアル・ソシエダは1909年に設立されましたが、こちらもレアルと同じく1910年にアルフォンソ13世によって「レアル」の称号が授与されました。レアル・ソシエダがこの称号を授かったのは、サン・セバスティアンが当時スペインの夏の首都として機能していたことが大きな理由です。このため、クラブは「レアル・ソシエダ」という名前で広く知られるようになりました。ちなみにレアルマドリーより先に称号を受けたのでスペインではレアルと言えばレアルソシエダのことを指すようです。
クラブの正式名称は「レアル・ソシエダ・デ・フットボール」となり、その愛称は「La Real」として親しまれています。特にバスク州のサン・セバスティアンを本拠地とするクラブであることから、地域の誇りと共に愛されています。
歴史の中で、レアル・ソシエダは一時的に「レアル」の称号を失ったこともありました。1931年にスペインが共和制に移行した際、王室に関連する全ての称号が取り消されたためです。そのため、クラブの名称は「ドノスティアFC」に変更されました。しかし、スペイン内戦後の1940年にフランコ政権が成立すると、「レアル」の称号が再び復活し、クラブは再び「レアル・ソシエダ・デ・フットボール」として活動を再開しました。
レアル・ソシエダはその後も数々の成功を収め、1980-81シーズンと1981-82シーズンにはリーガ・エスパニョーラで連続優勝を果たしました。また、国王杯でも数々のタイトルを獲得し、スペイン国内での地位を確立しました。クラブのホームスタジアムであるレアレ・アリーナも、多くのファンに愛される場所となっています。
レアル・ベティス
この投稿をInstagramで見る
レアル・ベティスがこの称号が付けられたのは1914年のことで、スペインの国王アルフォンソ13世から授与されました。
レアル・ベティスは1907年に「エスパーニャ・バロンピエ」として設立されました。この名前はスペイン語で「サッカー」を意味し、当時の他のクラブ名と区別するために使われました。1914年にクラブは「セビージャ・バロンピエ」と合併し、同年にアルフォンソ13世から「レアル」の称号を授与されました。これにより、クラブの正式名称は「レアル・ベティス・バロンピエ」となりました。
この称号は、王室からの特別な認可を示すもので、クラブの名声を高めるための重要な要素となりました。また、ベティスの名前の由来は、セビリアを流れるグアダルキビール川のローマ時代の名前「ベティス」から来ています。この地域との深い歴史的つながりを象徴しています。
クラブはその後、1935年にはリーガ・エスパニョーラで初優勝を果たし、さらに1977年、2005年、そして2022年にはコパ・デル・レイを制しました。クラブのモットー「¡Viva el Betis manque (aunque) pierda!」は、「負けてもベティス万歳!」という意味で、ファンの情熱と忠誠心を表しています。
歴史の中で、レアル・ベティスは幾度となく降格と昇格を経験しましたが、常に熱狂的なサポーターに支えられてきました。特に1940年代には、経済的困難と戦いながらも、多くのファンが試合を観戦し続け、その絆を深めていきました。この時期の経験がクラブのアイデンティティを形作り、現在も多くのファンに支持される理由の一つとなっています。
ベティスはまた、クラブカラーである緑と白の縦縞のユニフォームで知られています。このカラーは、クラブの創設者の一人であるマヌエル・ラモス・アセンシオがスコットランドのセルティックから取り寄せた生地を使用したことに由来しています。
レアル・サラゴサ
この投稿をInstagramで見る
1932年に設立されたこのクラブは、サラゴサ市を拠点としており、当初は「サラゴサ」として知られていました。しかし、1951年に「レアル・サラゴサ」と改名されました。
レアル・サラゴサは、その歴史の中で多くの成功を収めてきました。特に、1960年代には「黄金時代」を迎え、多くのタイトルを獲得しました。この時期には、スペイン国内外のトップ選手が多数在籍し、「ロス・マグニフィコス(偉大なチーム)」として知られるほどの強豪チームとなりました。1963-64シーズンにはコパ・デル・レイとインターシティーズ・フェアーズカップ(現在のUEFAカップ)で優勝するなど、輝かしい戦績を残しています。
また、レアル・サラゴサは、サラゴサ市やアラゴン州の象徴的存在であり、地域社会との深い結びつきを持っています。クラブのホームスタジアムであるラ・ロマレーダは、地元のファンにとって重要な場所であり、クラブの歴史と栄光を体現しています。スタジアムの収容人数は約33,000人で、多くのファンが試合を観戦し、クラブを支えています。
レアル・バリャドリードCF
この投稿をInstagramで見る
1928年に設立されたレアル・バリャドリードは、バリャドリード市を拠点とするサッカークラブです。設立当初から地域社会に根ざし、サポーターとの強い絆を築いてきたクラブは、アルフォンソ13世から「レアル」の称号を授与されました。
クラブは設立以来、スペインのサッカー界で重要な役割を果たし、特にセグンダ・ディビシオンやテレセラ・ディビシオンで数々のタイトルを獲得してきました。1940年に新しいスタジアム、エスタディオ・ホセ・ソリアが開設され、これが現在の本拠地となっています。
プエルト・レアル
スペインでレアルと名前がつくのはサッカークラブだけではなく、他にもたくさんあります。
例えばプエルト・レアルについて、プエルトレアルとはアンダルシア地方カディス県に位置する歴史的に重要な港町です。プエルト・レアルという地名に「レアル」がついている理由は、その創設時にさかのぼります。プエルト・レアルは1483年、スペインのカトリック両王であるフェルナンド2世とイサベル1世によって設立されました。彼らがこの都市に「レアル(王室の)」という称号を与えたのは、王室の直接の統治下に置く意図があったからです。
その当時、ゴルフ・デ・カディス周辺の他の港は貴族の支配下にありました。カトリック両王は、自らの権力を強化し、戦略的な拠点を確保するために、この地域に自らの港を設立することを決定しました。プエルト・レアルの「レアル」は、この王室の権威と統治を示すものであり、その後の発展と繁栄の基盤となりました。
プエルト・レアルは設立以来、多くの歴史的な出来事の舞台となりました。例えば、16世紀から17世紀にかけてのアメリカ大陸との貿易は、この都市に経済的な繁栄をもたらしました。また、軍事的にも重要な役割を果たし、特に1797年のイギリス軍による攻撃や、スペイン独立戦争時のフランス軍の進駐など、数々の戦いの舞台となりました。
19世紀には産業革命の波に乗り、プエルト・レアルは工業都市としても発展しました。鉄道の建設や造船業の拡大により、多くの雇用が生まれ、人口も増加しました。特に、1856年に開通したジェレス・デ・ラ・フロンテーラとトロカデロ間の鉄道は、ワインの輸送を大幅に効率化し、地域経済に大きな影響を与えました。
さらに、20世紀には自動車部品製造や航空機製造など、新しい産業が加わりました。特に、1988年に設立されたエアバスの工場は、地域経済の重要な柱となりましたが、2021年に閉鎖されました。それにもかかわらず、プエルト・レアルは依然として多くの産業を抱えており、特に造船業や大規模な建設プロジェクトで知られています。
フェリア・デ・アブリル
この投稿をInstagramで見る
フェリア・デ・アブリル、またはセビリアのフェリアは、毎年4月にスペインのセビリアで開催される春の祭りです。この祭りは、巨大な会場「レアル・デ・ラ・フェリア」に多くの人々が集まり、馬車や騎士が行き交い、華やかな装飾が施された一時的なカセット(小屋)が立ち並びます。1日に約50万人が訪れる大規模なイベントで、セビリアの経済と社会に大きな影響を与え、国際的にも観光的な魅力を持つ祭りとして認知されています。
「フェリア」という言葉はラテン語の「feria」から来ており、古代ローマでは宗教的な祭りや休息の日を指していました。現代では「フェリア」とは市や祭りを意味しますが、宗教的な側面は薄れています。
一方で、「レアル」という名称の由来には興味深い歴史があります。「レアル」とはスペイン語で「王室」や「本物」を意味しますが、この場合の「レアル」はかつての交通手段に関係しています。昔、この祭りに参加するために人々は馬車を利用していました。その運賃は固定されており、1レアル(25セント)であったため、この会場は「レアル・デ・ラ・フェリア」と呼ばれるようになったのです。
フェリア・デ・アブリルの起源は1846年にさかのぼります。当時、カタルーニャ出身のナシオ・ボナプラタとバスク出身のホセ・マリア・デ・イバラという二人の市議会議員が、セビリア市議会に農業と畜産のフェリアを提案しました。この提案は受け入れられ、1847年4月18日に最初のフェリアが開催されました。当初は、農産物と家畜の取引が主な目的でしたが、次第に娯楽や文化の要素が加わり、現在のような華やかな祭りとなりました。
最初のフェリアはセビリアのプラド・デ・サン・セバスティアンで開催されましたが、1973年に現在のロス・レメディオス地区に移されました。この移転により、カセットの数が増え、現在では1,000以上のカセットが設置されています。これらのカセットは家族や団体によって所有され、各々が独自の装飾や料理を提供します。
フェリア・デ・アブリルのもう一つの特徴は、その開催期間です。伝統的には、聖週間(Semana Santa)の2週間後に開始されますが、開始日が5月にずれ込む場合は1週間前倒しされることもあります。この柔軟な日程調整により、毎年多くの観光客が訪れることができ、セビリアの活気を保っています。
レアルとはどういう意味?まとめ
- 「レアル」とはスペイン語で「王室」を意味する
- スペイン王室から公式に認められたクラブに与えられる称号である
- レアル・マドリードは1920年にアルフォンソ13世から称号を授与された
- レアル・ソシエダも1910年にアルフォンソ13世から称号を受けた
- レアル・マドリードとレアル・ソシエダは代表的な「レアル」クラブである
- エンブレムに王冠が描かれ、クラブの歴史と名誉を示す
- 「レアル」を持つクラブには特別な格式がある
- スペインには他にもレアル・ベティスやレアル・バリャドリドなどがある
- レアル・ソシエダは「ラ・レアル」として親しまれている
- 「レアル」と名がつくクラブは地域と王室との特別な関係を象徴する
- レアル・サラゴサも王室から称号を受けたクラブである
- レアル・バリャドリードはアルフォンソ13世から称号を授与された
- レアル・ベティスは1914年に称号を授与された
- プエルト・レアルなど、地名にも「レアル」がつくことがある
- レアル・アルカサルは王宮の総称である
- レアル・アカデミア・エスパニョーラはスペイン語の規範を定める機関である
- レアル・フェリア・デ・アブリルはセビリアの春の祭りである
- レアル・ソト・グランデはスペイン王室御用達のシェリー酒の銘柄である